義歯ケースは悪魔の箱?|本当に気をつけたい入れ歯ケースのメンテナンス


71-9-1

皆様こんにちは。ライターのdr.whiteです。
立秋が過ぎると銀杏の木は実をつけて蝉の頑張る声のバックコーラスを従えるようにトンボが飛び始めたり致します。
暑い夏も背中が少し見え始めましたね。
今日は義歯ケースについて書かせて頂きます。

義歯ケースって大人の中の大人が使う割りにはピンクやブルーが多く見受けられます。
病室や施設のお部屋の中で比較的淡白な色が多いお部屋がそこだけポップになってそれはそれで楽しいものです。

入れ歯がケースに入っていないと夜中に喋り出すなんてホラーな事を考えてしまう暑い日々でしたが、病気や高齢で思うようにお話し出来ないご本人の代わりにカタカタ入れ歯が喋ったら果たしてどんな会話をするのでしょうか・・・。
病棟スタッフに「いつもありがとう」と言ってくれるのか、それとも「腰いてーぞー体位を変えろ〜」と叫ぶのか。はたまた子供の頃の思い出話を語り幼き頃の野山の話や戦争の話を語り出し泣き出すのか。
物言わぬものが語り出す時そこには意外な本音や無意識の声が聞こえるもので、想像するとちょっと楽しいですよね。

あら、話が随分それました。

入れ歯は何処に有るのか?
それは患者さんの口腔内か義歯ケースの中ということになります。
しかし、蓋を開けてよーくみるとなんだか黒いものが・・・なんてこともよくあります。
義歯ケースは菌の培地としては最高です。
患者さんがお口の中から義歯をはずしてそのままケースにいれる、義歯についていた汚れは菌の栄養となり湿度も温度も最高の最近達の温かく楽しいマイホームとなってしまうのです。

ここで義歯ケースの中の菌について数年前にこんな実験を致しました。
患者さんの口の中のフローラと義歯ケースのフローラは相関が有るのか。
つまり患者さんの口腔内の菌を培養。その方の義歯ケースの中の菌を培養。

その結果・・・

患者さんの口腔内の菌はいわゆる常在菌がほとんどで、義歯ケースの中のフローラには院内耐性菌が認められたのです。
「義歯ケースは悪魔の箱」、それ位取り扱いに注意を払うべき箱であるのです。
口の中や入れ歯を取り扱う時にはスタッフの皆様はディスポグローブを使ったり手指の洗浄を念入りにしています。

ピンクやブルーの箱の中も取り扱いに注意です。
そして何より、義歯ケースは定期的に消毒を是非お願い致します。
必ず最低でも週に1回は次亜塩素酸希釈液にどぼんとつけて消毒してください。
施設の中や病院内は勿論ですが一人暮らしのお年寄りの義歯ケースはとても汚れがちです。
訪問看護や介護の際には注意して見てあげることがとても重要です。

最近の日本は亜熱帯地方の様に湿度の高い日々が続いております。
サメの出現やデング熱など過去に習ったこととは違う環境になりました。
頭も心も柔らかく働く環境を整えることは医療従事者自身をリスクから守ることでもあるのです。