続・外国からの風


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瀋陽の施設や病院の様子を前回は少しばかりお伝えした。
現在我が施設では台湾から留学生を4名ほどアルバイトに来てもらっている。日本に来て半年にならない、まだ日本語がたどたどしいレベルではあるが本国で看護師をしていた人たちなので手際が非常に良い。
なにより良いのは笑顔がかわいい。屈託のない表情豊かでとにかく元気と若さ、やる気を感じる。今の現場では一番のビタミン剤のように感じる。

ケアに携わる姿勢に本来一番必要な資質だとつくづく思う。
笑顔の消えた現場の雰囲気は重苦しいばかりだ。

EPAという制度が東南アジアからの看護・介護人材受け入れ枠として存在することは周知のことと思われる。
EPAで来日する外国人介護士たちは日本で仕事を始めて3年後に国家試験を受験し、一発で合格しなければ帰国が義務づけられていた。
現在はある程度の点数を取った受験生に限って翌年の再チャレンジも認められているが、日本語での国家試験は外国人にとって難関だ。
2014年の合格率を見ると外国人は36パーセントで日本人の65パーセントを大きく下回った。看護師の国家試験に至っては、日本人の合格率90パーセントに対し、外国人はわずか10パーセントに過ぎない。EPAによる受け入れは、2014年度からベトナムとの間でも始まった。
一方で政府は、「外国人技能実習制度」で介護士を受け入れる方針も打ち出している。2015年度中にはこの「外国人技能実習制度」に介護の部門が加わる見通しらしい。アジアの若者たちにとって日本は働いていくのに魅力的な国であり続けられるか否かは甚だ疑問だ。

私が20年ほど前にシンガポールで観た多民族別特別養護老人ホームの在り様がふたたび脳裏に浮かぶ。
シンガポールに出稼ぎにきている若者たちは一定の年数すぎると自国に帰るというのが前提の出稼ぎだという意味あいである。
日本で介護や看護を目指す人々には日本で骨を埋める覚悟で来てほしいというのが私の思いだ。そのためには、日本人のものの考え方や価値観生きてきた時代背景を含めて深く日本を知ってもらいたいと願っている。
今日、休憩室で、たまたまお昼休みの留学生さんと昼食を一緒にとった。ラベルをとったペットボトルのお茶らしき飲み物を飲んでいる。
お茶を自分で作ってきたのかと尋ねると、冬中夏草という漢方薬だという。さらに彼女たたどたどしい日本語で一生懸命伝えてきた言葉、「台湾の母が養生のために送ってきました、パッケージを・・。」どんなに遠く離れていても子供に対する親の愛情はとてもありがたいものだねと彼女に微笑みかけた。
子供たちは親にも優しい思いをもってもらいたいものだとふと考えた。

外国からは少し優しい風が吹いてきたように感じる。
次回は家族の存在というテーマで書いてみたいと思っている。