歯科技工士の現状


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ご無沙汰しています。ライターのdr.whiteです。

先日、突然知り合いの歯科技工士さんから電話がありました。
「先生、今年いっぱいで自分の技工所を閉めようと思うのです。」
とても良い仕事をしてくださる優秀な歯科技工士さんですが、このまま技工所を経営していても先が見えないのとお母様が病気になられたからということでした。詳しくお話を聞いていくとなんと60代のお父様の方が収入が安定していらっるので、お母様の看病をするのはお父様ではなくその技工士さんが仕事を辞めて看病にあたるとご家族で決められたそうです。

そしてこれも偶然ですがその次の週にまた別の歯科技工士さんから連絡が入りました。
「先生、実は今の勤務先を退職することになりました。お給料が安すぎてこのままでは結婚もできません。退職後は他の仕事を探そうと思っています。とりあえず実家に戻ります。丁度、両親が年取って姉は遠くに嫁いでるので僕が一緒に住まないと心配だから。この機会に家賃も無い実家で今後の事を考えようと思っています。」

お二人ともとても素晴らしい技術の持ち主です。

そしてまたこんな話をお聞きしました。
知り合いの歯科クリニックに近所で技工所をなさっている技工士さんがみえたそうです。
「先生、技工料は出入りの他の一番安いところに合わせます。少しでもよいので仕事をください。」
そう言われたそうです。
その歯科クリニックは毎日外回りの方が来てくださっている大手の技工所を利用していたのですが、今後は一部のお仕事をその近所の技工所にお願いするようにしたそうです。
しかし暫くするとその技工士さんがみえて、
「出来れば自費を主体に出していただけないか?保険の安い仕事ばかり増えて身体がとても辛くなりました。分担作業の大手の会社と同じ値段ではとても辛くなりました。」
そう仰ったそうです。
そしてまた暫くするとその方も技工の仕事を辞めてお兄様の仕事を手伝う事になられたそうです。

歯科医師が満足して頂ける治療をするには技工士さんの存在が欠かせないものです。

しかし歯科技工士の現状は卒業後の5年離職率は8割。
国家資格で有りながら離職率の高さに驚きます。
何故?収入が少ないからでしょうか?
しかし平均収入を調べると400万以上というデータがあります。
これは極端に少ないとは言えないかもしれません。

そこで知り合いの技工士さんにリサーチしてみました。
何故、歯科技工士は離職率が高いのか?
1.狭い部屋で喋らない模型と長い時間働くことがストレスになる
2.大きな会社やクリニック内勤務でないとひとりが少人数の事が多く人との関わりが少なく暗くなりがち。
3.一生懸命作っても患者さんの喜ぶ顔が見えない。
4.ドクターから仕事を貰うという感覚で尊敬出来ない治療の先生にもぺこぺこしないといけない。ときに取引先の大口のドクターの胸先三寸で収入が途絶える。
5.先端の技工に必要な設備投資をしてもその分を稼げないうちに次のシステムができる。

こんな答えが返ってきました。
日本の歯科医療を支える歯科技工士の仕事がもっとやり甲斐のある物になるに収入面だけではなく他にも改善が必要なのですね。

私のところでは歯科技工士さんの作られた技工物で美と健康を取り戻し喜んで頂ける笑顔を時間が許すなら直接みていただく機会を作るという試みをしています。
患者さんの有難うが直接伝わりにくい個室での仕事にもっと生き甲斐を持ってほしいと感じています。
歯の治療は歯科医師と歯科技工士と歯科衛生士と歯科助手と患者さんとの連携プレーで成り立っています。
それを肌で感じて頂けたら嬉しい事です。