介護へようこそ初任者研修


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昔は旧2級ヘルパー制度と呼んでいた、初心者向けの介護教育は今は初任者研修と呼ばれている。某大手企業などの養成会社があるのは周知のことである。今はさらに実務者研修、実務者研修プラス喀痰吸引・胃瘻、国家資格として介護福祉士とキャリアを高めていく方向がある。

初任者研修は介護の若葉マークの人々を受講生として180時間の研修を行う構成になっている。この修了資格の有無は介護業界で働こうと思うと、時給についていうと50円~100円の賃金の差がスタートからつくことになる。資格なしでも就職そのものは可能なので、就職してから働きながらこの初任者研修を受ける人も勿論いる。という能書きはともかく、実際に現場で初任者修了けれど現場経験ゼロの人たちを現場はどう受け止めてくれているかという話をしたいと思う。

「ヘルパー2級って現場体験実習確か、ありましたよね・・」と某リーダーがあるときぼそって聴いてきた。
「ええ。そうですね。」「今の初任者研修って現場実習がなくてもいいんですよね?」とさらにたたみかけてくる。
「そうですね。その代わりっというとですが、修了試験(ペーパー&実技)はきちんとありますよ。実技試験は介護福祉士の実技試験の内容などをイメージしてやってますよ。」と少しとまどいながら答えた。

排泄介助を演習で確かに1日やるが、ジャージの上にオムツをつけて着脱するということまではするが、それはあくまでも模倣演習であるので実際オムツをするどころではなく、現場実習で利用者さんのオムツ交換等を見学できる機会も初任者研修になってから必修ではなくなっている。

講義や模擬実習では利用者さんの人権尊重、個別援助や自立支援をキーワードにお念仏のように教えているが、現実どういう状況でどういう対応することが人権尊重、個別援助や自立支援になるのか、想像もつかない受講生が卒業していくのである。
なんとも不安がいっぱいである。

さて、それでも我が施設は初任者研修を施設内で年間2回ほど通信課程で開講している。細々ながらもそれなりに卒業生から、現場へ職員雇用につながっている。よちよち歩きの赤ちゃんを預かるつもりで育ててくださいと現場には、頭を90°下げる。排泄交換に一人で入れるまでに、三か月近くかかっていたりする。本人もやっていく自信がない・・など訴えてくるのを毎月短時間ながらも面接をしてメンタル面のフォローはしている。

とにかく現場は人手がないので即戦力が欲しいと言われながら、初任者研修修了者で素人さんですというと・・・・・・。1人素人新人を教えるのにどれくらいエネルギーを取られるかわかってますかとも言われた。一人前になるのに、半年、1年の期間がかかるほど専門性の高い仕事だと伝えてもあまり現場の反応はよくない。厳しい現実である。

現在の初任者研修は本当に素人さんに介護というものの体系を教えることしかできていないのは事実である。
介護という仕事の奥深さまではとても教え切れていない。
でも・・・一人でも多くの人に介護のイロハ、入り口を申し込んでほしいと願っているわけであるが。
初任者研修そのものは、もう飽和状態なのかもしれないとも感じている。
近所にあいさつ回りをして施設の近く の商店や肉やさんにポスターを貼らせてもらうのが精いっぱいの営業である。受講料も大手企業より安いが、それでも約7万円はかかる。

本当に何を売りにしてどれだけ地域の人に受講してもらえるか、手探りの状態である。
初任者研修から実務者研修の時代、介護福祉士を直接取得する時代に世の中はシフトしているのは間違いない。
求められる、介護職としてのモラルや資質はますます高くなってきているのを肌で感じている。

10月31日で修了した新人君が11月2日より入職する。ちょっとドキドキしている状況である。なんでも相談に来てねといつもにまして大きな声で帰る後ろ姿に声をかけた次第である。